不毛な美

纏足
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BA%8F%E8%B6%B3
「美しい」という定義は国によっても、時代によっても様々に変わるものですが、中国の纏足という文化についてはどうしてなのか理由がさっぱり分からない。一応、足が小さいと可愛らしいとか、歩きにくいためによちよちと歩いてる様が守ってあげたい的な気持ちを男に抱かせる、とかもっともらしい理由があったりしますが、その根底にはやはり性的なものが多分に含まれていて、本当かどうか知りませんが、歩行時に不安定なため内股の筋肉が発達して締まりが良くなり、結果男性を喜ばすんだそう。そして走れないため、逃亡防止とかなんとか。はじまりこそ、ある一部のお金持ちとかごく一部でしか流行ってなかったみたいですが(動きが制限されるため労働力を必要としている貧しい家庭には向かない)、全盛期には纏足してない足は嫁の貰い手がないとかで女児が生まれると纏足するのが当たり前になったんだそう。まあそれがその国の常識だったら誰も疑問を抱きませんよね。今の日本に住んでるからこそ、なんかそれ変なのって思うわけで。
女性のハイヒールなんかも、一部の人間に言わせれば、足元を不安定にさせて動きを制限するための物らしいです。なんかまあ分からないでもない。ハイヒール履くし。外反母趾になるわ、歩きにくいわ、長時間はいてると足が痛くてたまらないわであんなものなんで女子は履くんでしょうね。足が長く見えるからだよ!(私的理由)
纏足はあらゆる自由を女性から奪って男の快楽と娯楽のためだけに生まれた文化な気がするんですがその時代に生きてたわけでもないので勝手なこと言ってます。
纏足の作り方と写真(ちょとグロい)
http://hugo-sb.way-nifty.com/hugo_sb/2005/04/post_0c9b.html
作り方はもう、ゾっとします。恐ろしい。「三寸金蓮」と言って三寸が一番美しい大きさとされてたそうです。成人した女性の足が三寸前後だなんて。手のひらに靴が収まるんだそうです。大人の体に子供の足。サザエさんみたい。定義としてはロリ顔巨乳みたいなもんかしら。そして常に布で巻いているため、足は蒸れ匂いを発するわけですが、その匂いを嗅いだり、纏足靴に酒を注いで飲むのが粋だとかなんとか。変態じゃないか。でも纏足靴はさすが中国。美しく刺繍された芸術品の仕上がり。足の美しさを競う女性達。各々が手の込んだ靴を製作して美を競っていたのですね。
しかし、纏足の文化はとても長く続いたけどちゃんと終わりを迎える。封建社会から外国の文化が入ってくるようになって廃れたんですね。
http://www.shwalker.com/shanghai/contents/oldshanghai/200511/index.html
以下引用

1912年、中華民国が建国し、《禁止纏足令》が発布されてからは、漢民族女性の纏足習慣は事実上終わりを告げた。だが現在の中国人でも女性の足は小さいほうがよいとする意識が根強く残っている。

纏足―9センチの足の女の一生 (小学館文庫)

纏足―9センチの足の女の一生 (小学館文庫)

この本を読んだんですが、これが一番纏足について分かりやすいかも。不毛としか言いようのない美ですが、美しさを求め極めようとするのはいつの時代の女性も同じで。主人公の女性は纏足の時代が終わる境を生きた人で価値観や女としてのプライド、文化を細かく知ることができると思います。
現代の日本に生まれて本当に良かった。痛いのヤダ。